せん妄診療実践マニュアル 改訂新版**羊土社/井上 真一郎/9784758123952**
発行 2022年9月
判型:B6変型判 278頁
ISBN 978-4-7581-2395-2
せん妄診療の定番書が,「ハイリスク患者ケア加算」に合わせて内容を刷新!現場に即した診療フローと豊富な図表を用いた解説で,効果的・効率的なせん妄対策のために「いま,何をすべきか?」がすぐわかる!
【目 次】
基礎編
せん妄対策の基礎知識
①せん妄対策とは
②「せん妄」とは
③「せん妄の3 因子」について
④「3 因子」で考えるせん妄Q&A
⑤せん妄対策は「リスクの引き算」と考える
実践編
1章 せん妄に対する予防的介入
STEP1 せん妄のリスク因子の有無を確認する
①高齢(70 歳以上)
②脳器質的障害(脳梗塞,脳出血,脳腫瘍,頭部外傷など)
③認知症
④アルコール多飲
⑤せん妄の既往
⑥リスクとなる薬剤(特にベンゾジアゼピン受容体作動薬)の使用
⑦全身麻酔を要する手術後またはその予定があること
STEP2 せん妄の予防対策を行う
①パンフレットや動画を用いて患者および家族にせん妄の説明を行う
②せん妄ハイリスクを考慮した不眠時・不穏時指示を出しておく
③内服中のせん妄ハイリスク薬(特にBZ 受容体作動薬)を減量・中止し,新たにせん妄ハイリスク薬を入れない
④せん妄予防のための身体管理や環境調整を行う
STEP3 せん妄の早期発見につとめる
①ツールを用いてせん妄の早期発見を行う
②臨床的な評価でせん妄の早期発見を行う
③他疾患との鑑別を行う
2章 せん妄に対する治療的介入
STEP4?① 原因療法
①身体疾患の精査・治療,原因薬剤の中止
②特に注意すべき直接因子
③低活動型せん妄
STEP4?② 薬物療法
①薬剤を選択する
②用量を決める
③投与時間を決める
④評価する
⑤処方内容を再調整する
STEP4?③ 非薬物療法
①意識障害・注意障害を考慮した対応
②急性発症・日内変動を考慮した対応
③記憶障害・見当識障害・視空間認知障害・幻覚を考慮した対応
④睡眠・覚醒リズム障害を考慮した対応
⑤感情の障害を考慮した対応
⑥その他
せん妄への対応のメリット・デメリットを考える
①対応のメリット・デメリット
②身体拘束の実状
応用編
1章 術後せん妄(ICU におけるせん妄)
はじめに
STEP1 せん妄のリスク因子の有無を確認する
①術後せん妄の既往の有無を確認
STEP2 せん妄の予防対策を行う
②術後に薬が内服できない場合の薬剤指示
③術後を想定したケア
STEP3 せん妄の早期発見につとめる
④CAM-ICU またはICDSC を用いた評価
STEP4 せん妄の治療を行う
⑤ICUではDEXを中心とした薬物療法
⑥複数重なる促進因子を除去
術後の注意点
2章 アルコール離脱せん妄
はじめに
STEP1 せん妄のリスク因子の有無を確認する
①アルコール依存症(可能性含む)の有無を確認
【アルコール依存症がほぼ確実の場合】
STEP2 せん妄の予防対策を行う
②ベンゾジアゼピン受容体作動薬の予防投与
③ビタミンの補充
STEP3 せん妄の早期発見につとめる
④小離脱の評価
STEP4 せん妄の治療を行う
⑤ベンゾジアゼピン受容体作動薬を中心とした薬物療法
【アルコール依存症の可能性がある場合】
STEP2 せん妄の予防対策を行う
②小離脱が出現した場合の薬剤指示
③ビタミンの補充
STEP3 せん妄の早期発見につとめる
④小離脱の評価
STEP4 せん妄の治療を行う
⑤ベンゾジアゼピン受容体作動薬を中心とした薬物療法
アルコール依存症の治療
3章 緩和医療におけるせん妄
はじめに
STEP1 せん妄のリスク因子の有無を確認する
①身体的重症度が高い場合は「せん妄ハイリスク」
STEP2 せん妄の予防対策を行う
②痛みに対するケア
STEP3 せん妄の早期発見につとめる
③低活動型せん妄の評価
STEP4 せん妄の治療を行う
④直接因子を用いてせん妄の治療可能性を評価
⑤-1 可逆性せん妄へのアプローチ
⑤-2 不可逆性せん妄へのアプローチ
巻末資料
せん妄ハイリスク患者ケア加算に係るチェックリスト/Confusion Assessment Method (CAM)/Delirium Screening Tool (DST)/Confusion Assessment Method in the ICU (CAM-ICU)/Intensive Care Delirium Screening Checklist (ICDSC)/
資料リスト
薬剤リスト
column
* せん妄のデメリットとは
* ベンゾジアゼピン系薬剤と非ベンゾジアゼピン系薬剤について
* レビー小体型認知症について
* EPS(Extra-Pyramidal Symptoms:錐体外路症状)とは
* せん妄の患者さんに服薬を拒否された場合
* せん妄に関するカンファレンスのヒント
* 岡山大学病院せん妄対策チームの取り組み
* 「がん患者におけるせん妄ガイドライン2022年版」について