看護栄養学 第5版**医歯薬出版/尾岸 恵三子/978-4-263-23767-0/9784263237670**

販売価格
2,970円(税込み)
編著
尾岸 恵三子
出版社
医歯薬出版
分野
 
看護学一般

数量

販売期間
2022/11/11~
商品コード
9784263237670
発行 2022年11月
判型:B5判 292頁
ISBN 978-4-263-23767-0

編著:尾岸 恵三子 / 正木 治恵
「いのち」,「生きる」,「自立」をテーマに,看護の視点から食を捉えた好評テキスト改訂版

人びとの食生活の変化に対応するとともに,食生活の今後の方向を見通した高齢社会への活用,より人びとの生活の視点からの食生活のありよう,実践や研究を推進していくことによる科学的根拠に基づく内容を記載するという基本コンセプトはそのままに,改訂版では「日本人の食事摂取基準2020年版」「日本食品標準成分表2020年版」に準拠し,かつ最新のガイドライン,データに合わせて記述内容を全面的に内容を見直した.

【目 次】
Chapter 1 看護学における栄養学の流れ
看護における栄養学とは
1 看護学における栄養学の原点
Nightingaleのとらえた「食」と看護
看護学と栄養学の接点
2 日本の看護学教育における栄養学教育
1949~1966年―健康な生活を整える要素としての栄養学
1967~1988年―体内の物質代謝としての栄養学
1989~1996年―日常の食生活からとらえる栄養学
1997~2021年―統合カリキュラムにおける栄養学
2022年度より開始される「新カリキュラム」での看護教育
3 看護学教育における栄養学の方向性
生活の基本的要素としての「食」
子どもの「食べる力」を育むことへの支援
高齢者の「食生活を支える」ことへの支援
食生活を通して患者の自己実現を援助するための看護栄養学

Chapter 2 QOLと食生活
“その人らしい食生活”への援助
1 健康と食
「健康で長生き」とは
健康生活の鍵を握る「食生活」
1 「食」を通してみえるもの
「食」を通した人間観察
(1)食べる人間の観察で何がみえるか
人間の欲求―食欲はこころの表現
人間の身体―栄養素の取り込みと固有の性質
人間の文化的,社会的側面―食行動の背景となるもの
人間と食物―文化・生産・社会活動とのかかわり
2 健康と食生活
変化する食文化と食生活への影響
(1)食生活の変遷と栄養状態
食品の消費
摂食行動
(2)食生活と疾病
食生活指針の実践のために
主要死因の年次推移
2 人間生活(生きる)を豊かにする食
食卓の演出とQOL
健康づくりのための食生活指針
食生活に表現されるQOL

Chapter 3 ライフサイクルと栄養
1 ライフサイクルの変容
2 各ライフステージにおける栄養の意義
3 ライフステージごとの栄養の特徴
1 新しい生命を育むための栄養
(1)妊(胎生期)産婦・授乳婦
(2)胎内から始まる母子の健康のための栄養
2 発育・発達過程に欠かせない栄養
(1)乳児期
(2)幼児期
(3)学童期
(4)思春期
(5)乳児期~思春期における食べる力の基礎づくり
(6)小児期の肥満とやせ
3 成熟した身体を支え,次世代を見据えた栄養
(1)食習慣や生活習慣の見直し・改善
(2)女性に多い低体重
(3)生活習慣病のリスクを高める飲酒
4 老年期を穏やかに過ごすための栄養
(1)加齢に伴う食事摂取への影響
(2)低栄養状態による影響

Chapter 4 食べる行動から始まる栄養
食べる行動とは
1 食べる行動
(1)人間のこころの状態と食べる行動とのかかわり
食べる「行動」の意味
食行動に秘められるこころの状態
事例1:食べたくないと表現していた患者
事例2:ぼく,お母さんと一緒に食べるんだ
(2)食欲とのかかわり
欲求の対象としての食
食べるという方向を決める食欲
(3)食物の選択
食体験の影響
食物選択のタイプ
健康食品と自然食品
加工食品の増加
(4)食物の取り込み方
取り込み方の特徴
取り込み方と習慣
2 何を食べたらよいか
何を食べてきたか
(1)食物とは
食物の機能
栄養素の特徴
おもな食品
(2)栄養とは,栄養素とは
栄養とは
栄養素とは
三大栄養素(熱量素)
保全素
(3)からだと食物
からだと食物の基本的関係
日常生活の対応行動に表現されるストレスと食べることとの関係について
3 どれだけ食べたらよいか
1 どれだけ食べたらよいかの栄養素を食物でとらえる
2 食物や食品の分類
(1)食品の分類法
(2)糖尿病食事療法のための食品交換表(4群6分類法)
(3)腎臓病食品交換表(6分類5別表法)
(4)特別用途食品と保健機能食品
3 どれだけ食べたらよいか(食事の摂取量)を示す食事摂取基準
4 どれだけ食べたらよいかを栄養素量でとらえる
5 各栄養素とその量
(1)エネルギー
(2)たんぱく質
(3)脂質
(4)炭水化物
(5)食物繊維
(6)脂溶性ビタミン
(7)水溶性ビタミン
(8)多量ミネラル
(9)微量ミネラル

Chapter 5 取り込まれた食物のゆくえ
飲食の仕方
口から取り込まれた食物
消化器系の調節
1 消化から始まる栄養
1 栄養素の消化・吸収
(1)消化
口腔での消化
胃における消化
腸における消化
(2)吸収
吸収のメカニズム
栄養素の吸収
2 消化・吸収のよいとき悪いとき
消化・吸収を促進する条件
消化・吸収の異常を意識するとき
3 消化吸収率
見せかけの吸収率
実際の吸収率
4 吸収された三大栄養素のゆくえ
2 排泄物の姿
糞便の形成と排便
糞便の性状と量
尿の性状と量

Chapter 6 健康と栄養
1 健康における栄養の意義
1 平均寿命の延伸とその背景
2 疾病構造の変化がもたらした健康づくり対策
3 健康寿命の延伸と健康格差の縮小に向けた取り組みの背景
4 生活習慣病と食生活の関係
(1)1日に野菜・果物350g摂取する工夫
(2)食塩摂取量と胃がん・高血圧の関係
5 高齢化社会における医療介護福祉の動向と栄養に関する対策
2 健康と食生活における課題
1 健康と食生活に対する個人の意識と実態
2 成人期~老年期における健康と食の課題
(1)成人期
(2)老年期

Chapter 7 疾病と栄養
1 栄養アセスメントと栄養障害
1 栄養アセスメント
2 栄養障害の種類と程度
2 栄養療法(栄養管理法)
1 栄養療法の選択
2 経口栄養法
3 経管栄養法
(1)経鼻アクセス
(2)消化管瘻アクセス
4 経静脈栄養法
(1)末梢静脈栄養法(PPN)
(2)中心静脈栄養法(TPN)
3 各疾患と食
1 疾患とライフサイクル
(1)小児期
(2)思春期
(3)成人期
(4)老年期
(5)妊娠期
2 循環器疾患
(1)高血圧
高血圧の病態
高血圧の栄養管理
(2)妊娠高血圧症候群
妊娠高血圧症候群の病態
妊娠高血圧症候群の栄養管理
(3)心疾患(虚血性心疾患,心不全)
心疾患の病態
心疾患の栄養管理
(4)脳卒中
脳卒中の病態
脳卒中の栄養管理
3 内分泌,代謝障害
(1)糖尿病
糖尿病とは
糖尿病の栄養管理
(2)肥満(症)
肥満と肥満症
肥満(症)の栄養管理
(3)脂質異常症
脂質異常症の病態
脂質異常症の栄養管理
(4)先天性代謝異常症
先天性代謝異常症の病態
先天性代謝異常症の栄養管理
4 腎疾患・痛風
(1)腎疾患
A.慢性腎臓病(CKD)
慢性腎臓病(CKD)とは
慢性腎臓病の栄養管理
B.ネフローゼ症候群
ネフローゼ症候群とは
ネフローゼ症候群の栄養管理
C.糖尿病性腎症
D.急性腎障害(AKI)
急性腎障害(AKI)の栄養管理
(2)痛風
痛風とは
痛風の栄養管理
5 消化器疾患
(1)上部消化管
A.逆流性食道炎
逆流性食道炎とは
逆流性食道炎の栄養管理
B.胃切除術後栄養障害
胃切除術後栄養障害とは
胃切除術後栄養障害の栄養管理
(2)下部消化管
A.便秘
便秘とは
便秘の栄養管理
B.下痢
下痢とは
下痢の栄養管理
C.潰瘍性大腸炎
潰瘍性大腸炎とは
潰瘍性大腸炎の栄養管理
D.クローン病
クローン病とは
クローン病の栄養管理
(3)肝疾患(脂肪肝,肝硬変,NASH・NAFLD),膵炎,胆石
A.脂肪肝
脂肪肝とは
脂肪肝の栄養管理
B.肝硬変
肝硬変とは
肝硬変の栄養管理
C.非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD),非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)
NAFLD,NASHとは
NAFLD,NASHの栄養管理
D.膵炎
膵炎とは
膵炎の栄養管理
E.胆石
胆石とは
胆石の栄養管理
6 食物アレルギー
食物アレルギーとは
食物アレルギーの栄養管理
7 褥瘡
褥瘡とは
褥瘡の栄養管理
8 摂食嚥下障害
摂食嚥下障害とは
摂食嚥下障害の栄養管理
9 精神疾患
摂食障害とは
10 呼吸器疾患
呼吸器疾患(とくに慢性閉塞性肺疾患)とは
呼吸器疾患の栄養管理
11 がん
がんとは
がんの栄養管理
4 在宅(居宅)患者の栄養支援
1 栄養スクリーニング
2 栄養アセスメント
3 栄養状態の判定
4 在宅高齢患者における経口摂取の問題点
5 在宅での栄養支援の計画・実施
5 チーム医療
1 栄養サポートチーム(NST;nutrition support team)
2 NSTのメンバーおよび役割
3 地域におけるNST
4 呼吸ケアサポートチーム(RST;respiratory support team)
5 栄養管理体制の構築
6 糖尿病透析予防指導におけるチーム医療
7 入院・外来におけるチーム医療の実践
8 より効果を発揮するために

Chapter 8 人間と食文化
1 環境中から食物を手に入れるための生態学的諸条件と食文化
2 自然の条件(その環境の生物相)と食と文化
(1)文化としての昆虫食
(2)自然の条件と食文化
3 食材を得て食べるまで(食物を手に入れ,加工保存するための人間の技術,食物の分配と流通と食べ方)と文化
(1)食物獲得技術の変遷
(2)食物の調理の工夫
(3)食物の分配
(4)食物の加工と食べるまでの関係
4 食文化と栄養状態・健康状態
(1)栄養に関する生物学的適応
(2)栄養に関する文化的適応
(3)食文化と健康状態

Chapter 9 セルフケアと食
1 食とセルフケア
(1)セルフケアとは
看護師の役割
(2)セルフケアプロセス
(3)健康教育と患者教育
「好ましい食習慣の確立」への働きかけ
「食行動の変容」への働きかけ
セルフケア能力向上のために
2 食習慣をつくる健康教育
(1)健康教育の考え方
専門家による健康教育
健康教育の対象となる生活習慣
(2)健康教育のプロセス
知識を伝達する健康教育―納得から実践へ
問題解決を促す健康教育―実践から納得へ
健康教育のプロセス
(3)健康教育としての食教育
食教育の目的
食教育の方法
(4)好ましい食習慣の確立
好ましい食習慣とは
なぜ好ましい食習慣を形成する必要があるのか
食習慣はどのようにつくられていくか
(5)食教育の展開
セルフケアの推進
(6)食教育の展開の実際
親への教育―好ましい食習慣の形成へ
本人への教育―好ましい食習慣の形成から好ましい食習慣の確立へ
本人ならびに家族への教育―好ましくない食習慣の形成から好ましい食習慣の確立へ
3 食行動変容を促す患者教育
(1)患者教育の考え方
健康教育と患者教育
食における患者教育の目的
患者教育の目標としての食行動の変容
セルフケア能力を育む
「指導」と「援助」の使い分け
(2)食における患者教育の展開
食生活や健康についての思いを知る
食生活の実態を知る
生活を知る
援助する
(3)患者教育の展開の実際
事例1:肥満是正への努力
事例2:食品交換表の単位が理解できない
事例3:妻の協力が得られなくても
4 食卓の営みと援助
1 食卓の営み
なぜ食卓の営みに着目するのか
(1)食卓とは
(2)「食卓の営み」について
食卓を語ることについて
2 食卓の営みに着目した援助過程
食卓の営みに着目した援助
(1)援助事例
事例4:嫁として家族関係に悩み,自分のセルフケア行動に目を向けられずにいる女性
事例5:更年期症状と自営業の負担感,子どもの自立にゆらぎ,自分のセルフケア行動に向かえない女性
事例6:母の介護をめぐり弟妹とうまくいかなくなった,女手ひとつで娘を育ててきた女性
援助の意味
3 食卓の営みに着目した援助方法
(1)食卓の営みに着目した援助の目的・ゴール
(2)食卓の営みの語りを聴く
(3)聴き手のあり方
(4)援助する際の準備,心得
(5)援助の始め方
(6)食卓のスケッチの記入
(7)援助の評価
多職種連携のなかで食の援助における看護師の役割
5 ヘルスプロモーションと食
1 ヘルスプロモーションとは
ヘルスプロモーションの考え方の特徴
ヘルスプロモーションの活動方法
2 ヘルスプロモーションを重視した食の援助方法
3 21世紀における国民健康づくり運動(健康日本21)
(1)健康日本21による健康づくりの取り組み
(2)健康日本21(第二次)による健康づくりの推進

Chapter 10 現代人の食生活の課題
現代人の食生活から
1 何を食べているのだろうか?
子どもたちの朝ご飯
未来の人間には顎がない?
コンビニ前に座り込んで食事
思春期の朝食欠食
20歳代の男女の食生活習慣に関する状況.改善の意思はない.大丈夫?
若い細身女性の食事は大丈夫?
宇宙スタイルの食事?
病気を治す食品がある?
2 何のために食べているのだろうか?
社会につくられた“かっこよさ”に振り回される若者たち
食費よりも電話代が重要
食事よりも仕事が優先?
食事に気をつけていれば万全?
便利になったことで失われていくもの,得るもの
“食べること”にまつわる価値観の変化
3 食事は誰のために,誰がつくっているのだろうか?
ダイオキシンの母乳への影響を恐れ,飲ませてもよいか悩む母親
新米ママがアトピー性皮膚炎の子どものために大奮闘
お菓子を食べて食事をとらない3歳7カ月の子どもに手を焼いている母親
一緒にいても孤食,でも気にしている様子はなし
塾通いで忙しい子どもの1日の食事パターンに合わせる母親
高校球児,1日5~6回食で少食の不足分を補う
4 どのように食べているのだろうか?
父親がいる・いないで食卓の躾が極端に変化する母親
食卓の俺の席はテーブルの角
食卓の席を単身赴任中に失った父親
高齢者の食事にかかわること