転機 新任看護部長の1年**日本看護協会出版会/佐々木 菜名代/978-4-8180-2585-1/9784818025851**
発行 2023年6月
判型:A5判 156頁
ISBN 978-4-8180-2585-1
外部から来た新任看護部長の1年目の物語から看護管理の実践を学ぶ!
大学病院の看護部長に応募し、選ばれた筆者が就任1年目を振り返り、いかにして新しい組織になじみ、看護部長としての振る舞いを考え、役割を果たしていったのかを丹念に記述したノンフィクションです。
新任看護部長としての実践に意図して用いた理論や概念をコラムとして紹介し、実践と理論の関係を明らかにしていきます。
新任看護部長の1年目の物語には、看護管理やキャリア開発のヒントがぎっしりと詰まっています。
【目 次】
推薦のことば
第1章 看護部長になる
1 挑戦の始まり
(1)挑戦前の私
(2)尊敬するSからのメール
(3)挑戦への決断を後押ししたもの
2 選ばれる
(1)応募書類の提出
(2)公開セミナー
(3)引継ぎ、そして看護師長会での挨拶
(4)病院長の期待と配慮
◇ Column 1 公募による看護部長選考のプロセス
◇ Column 2 プランドハップンスタンス理論
第2章 新任看護部長の春(4~6月)
1 就任初日から1ヵ月
(1)徹夜になった残務整理
(2)初出勤に向けて
(3)看護部長としての初仕事
(4)オリエンテーションの口火を切る
(5)あっという間の一カ月
2 所信表明
(1)覚悟を決める
(2)150人を前にした所信表明演説
(3)演説後のフィードバック
3 看護師長との面談
(1)面談の目的
(2)スケジュール調整は副看護部長に依頼
(3)どの看護師長も優秀な人物
(4)看護師長の承認欲求を満たす役割
(5)いかなるタイプの人とも平等に接する
(6)自分を敵視する人はいなかった
(7)看護師長を知るには現場がいちばん
4 組織を知る
(1)会議に遅れない――施設内の把握
(2)部署と担当業務の把握
(3)意思決定プロセスの把握
(4)病院機能評価の受審――病院幹部として知るべき情報の把握
◇ Column3 インパクトと影響力~看護管理における管理者のコンピテンシー~
第3章 新任看護部長の夏(7~9月)
1 新たな組織での振る舞い
(1)中途採用の入職者に必要な「一定期間」
(2)First 100 Daysの慣習
(3)歓迎の雰囲気も100日間なのか?
(4)そろそろ終わる100日間
◇ Column4 リーダーシップの信頼蓄積理論
2 採用面接に挑む
(1)新棟開設のために増員が必要だった
(2)人員の確保に苦戦していた前職
(3)本当の意味での「選ぶ」面接
(4)面接官としてのスキルアップのために
3 変革に取りかかる
(1)時間と労力の無駄遣いだった針刺し事故の報告
(2)夜勤の看護師が翻弄される駐車料金の手続き
4 看護部長としてのメッセージの発信
(1)病院の広報誌
(2)看護部のホームページ
(3)急ごしらえのパンフレットでの後悔
(4)新入職者の家族に向けたメッセージ
第4章 新任看護部長の秋(10~12月)
1 病院機能評価の受審
(1)課せられた改善
(2)ワーキング・グループの設置
(3)「長」としての振る舞いができていなかった
(4)かつて不快感を抱いた振る舞い
(5)自身の振る舞いを振り返る
(6)臨床倫理委員会の委員長に就任
2 人脈をつくる
(1)大学院での出会い
(2)「人脈」とは呼びたくない交友関係
(3)看護部長としての「人脈」
3 人事評価と処遇
(1)ずっと心に引っかかっていたこと
(2)人事評価の方法
◇ Column5 動機づけ理論~内発的動機づけと外発的動機づけ~
4 看護管理者の応募と選考方法に関する展望
(1)看護管理者の選考とスタッフの主体性
(2)看護管理者の選考
(3)変えていきたい選考基準
第5章 新任看護部長の冬(1~3月)
1 看護師長会議の議長は誰がやるべきか
(1)恩師Iの憤慨
(2)師長が持ち回りで議長をするのが当たり前だった
(3)「議長」ではなく「司会」で事足りていた会議
(4)看護師長会議に感じていたジレンマ
(5)看護師長会議の議長を看護部長に
(6)メリハリのある議事進行で議論が活発に
2 組織の再編に挑む
(1)実際の運営に合わない組織図
(2)非効率な問題解決プロセス
(3)組織変更の提案
(4)委員会の集約と委員長の役割の明確化
(5)副看護師長による組織横断的な活動
◇ Column6 サルの罠
3 人員配置を考える
(1)異動の極意
(2)適材適所の人員配置
(3)得意なこと、長所を活かした人事
(4)精神看護専門看護師(CNS)の人事
4 はっきりと見えてきた看護部長としてのビジョン
(1)うたい文句だった「病院の理念」や「機能・役割」
(2)いまや自分のものになった「理念」や「基本方針」
(3)真の意味での地域・社会への貢献
(4)施設の機能・役割にふさわしいサービスの提供
◇ Column7 ミッションとアジャイル