NG事例から学ぶ 臨床研究デザイン**金芳堂/笹渕 裕介/978-4-7653-1963-8/9784765319638**
発行 2023年7月
判型:A5判 200頁
ISBN 978-4-7653-1963-8
著:
笹渕 裕介(東京大学リアルワールドエビデンス講座)
石丸 美穂(東京医科歯科大学 統合教育機構)
大野 幸子(東京大学大学院 医学系研究科)
橋本 洋平(Save Sight Institute The University of Sydney)
ミスをおかさないために! いい加減な研究方法から卒業しよう!
学者、あるいは既に研究を進めているベテランであっても、陥ってしまう研究上の罠はたくさんあるものです。場合によっては研究不正と受け取られる可能性すらあります。本書では、臨床研究でよくある統計学的検定のNG事例を列挙して解説し、ミスをしてしまった場合のリカバリー法と、本来ならどのように研究デザインをしておけばよかったのかをわかりやすく説明しています。
【目 次】
はじめに
登場人物紹介
第1章 研究を始める前に
No.1 研究の順序 研究計画を綿密に立てておけばよかった
No.2 研究を行うためのチーム 研究を1人でやろうとした
No.3 疑問を構造化する リサーチクエスチョンを明確にしていなかった
≫ COLUMN 計画倒れ
No.4 記述研究 研究は比較研究のことだと思っていた
≫ COLUMN 知りたいことがありすぎて優先順位を間違った
No.5 探索的な研究 仮説にこだわりすぎてしまった
No.6 網羅的な論文検索 大事な論文を見落としていた
No.7 対照の設定 比較する対照が定まっていなかった
≫ COLUMN 差の差分析
No.8 適切な研究対象者を設定する 効果を見たい集団になっていなかった
No.9 より洗練されたリサーチクエスチョン 実現できない研究を行おうとした
≫ COLUMN “正しくて”、“真の効果”を推定できる解析探しの旅に出る
No.10 日本人“では”初めての研究 既にわかっていることを研究してしまった
≫ COLUMN 英語論文としてアクセプトされやすいCQとは?
第2章 研究計画立案
No.11 一般集団と研究対象者の違い 特殊な集団を研究していることを意識していなかった
≫ COLUMN 各統計ソフトウェアの比較
No.12 交絡 結果を歪める大事な要因を見落としていた
≫ COLUMN DAG
No.13 Immortal time bias 死亡するはずがない期間を考える必要があった
No.14 減少バイアス 途中で脱落した患者を解析から除外してしまった
No.15 検出バイアス 一方の群だけアウトカムが発見されやすくなっていた
≫ COLUMN ChatGPT
No.16 Look-back period 過去の病歴を考えていなかった
≫ COLUMN 世界一周旅行
No.17 New-user design 薬を開始した時期を考慮していなかった
第3章 データの収集
No.18 データ収集項目の決定 大事な要因を集め忘れた
≫ COLUMN カルテレビュー研究は効率化できる
No.19 測定の妥当性と信頼性 人によって計測の精度が異なっていた
No.20 真のアウトカムと代替アウトカム 臨床的意義のあるアウトカムを設定していなかった
No.21 質問票の妥当性 計測したい項目をうまく質問できていなかった
≫ COLUMN 質問票の作り方
No.22 サンプルサイズの見積もり 研究に必要な人数を計算していなかった
第4章 データの解析
No.23 解析手法選択のポイント 理解していない手法を使用してしまった
≫ COLUMN 傾向スコア分析を過信しないほうがいい
No.24 連続変数のカテゴリー化 連続変数を恣意的にカテゴリーに分割してしまった
No.25 データの外れ値 外れ値の扱いを理解していなかった
≫ COLUMN コードはしっかり確認しましょう
No.26 パラメトリック検定とノンパラメトリック検定 検定の使い分けを知らなかった
No.27 アウトカムの設定 アウトカムをむやみにたくさん設定してしまった
≫ COLUMN 因果推論とドラえもん
No.28 データの相関を考慮する すべてのデータを独立データとして扱ってしまった
≫ COLUMN 研究にかかるお金の話
No.29 交絡因子ではない因子 交絡以外の注意すべき因子を理解していなかった
≫ COLUMN 操作変数法
No.30 打ち切りによるnumber at riskの減少 生存曲線の解釈がわかっていなかった
第5章 結果の公表
No.31 共著者が満たすべき条件 貢献のない人を著者にした
No.32 研究不正 他人の論文をコピペした
≫ COLUMN 研究不正ランキング
No.33 Questionable research practices 都合の良い結果のみを報告してしまった
≫ COLUMN Impact factorインフレ
おわりに