泣く子も黙る感染対策**中外医学社/坂本 史衣/978-4-498-02146-4/9784498021464**
- 編著
- 坂本 史衣(聖路加国際病院QIセンター感染管理室)
発行 2023年8月
判型:A5判 190頁
ISBN 978-4-498-02146-4
エキスパートが感染対策の理想を現実的に熱く語る!『J-IDEO』連載,堂々の書籍化.
2020年以降の新型コロナ対応の豊富な経験も踏まえ,聖路加国際病院感染対策室マネジャーである熟練の著者がエキスパートならではの視点から考察,詳述.現状を冷静に見つめ,具体例やエビデンスも豊かにICTが目指すべき理想とそこに向かう道筋を指し示し泣く子も黙る“鉄壁”を目指す.感染対策にかかわるすべての医療者が今読んでおきたい,具体的な指針が詰まった一冊!
【目 次】
1.感染対策がうまくいく病院の5つの特徴
特徴1 安全性を脅かしかねない些細な兆候を見逃さない
特徴2 周囲の状況や過去の経験を単純化しない
特徴3 期待されるパフォーマンスから日常業務が逸脱している状況に敏感である
特徴4 エラーが起きても大事に至らない回復力(レジリエンスresilience)を大事にしている
特徴5 年齢や序列にとらわれない専門家の重用
2.薬剤耐性(AMR)対策アクションプラン
―病院における薬剤耐性菌伝播防止のための基本戦略―
基本戦略(1) 手指衛生
基本戦略(2) 接触予防策の賢い使い方
基本戦略(3) サーベイランスなくして戦略なし
基本戦略(4) AMR対策における情報活用
基本戦略(5) 感染対策の事前評価
3.針刺し・切創・粘膜/創傷汚染の予防と対応
[1]職業曝露の予防
1 針刺し・切創・粘膜/創傷汚染とは何か
2 職業曝露に伴う血液媒介病原体の感染リスク
3 予防のためにできること
[2]職業曝露後対応
1 職業曝露発生直後の対応
2 B型肝炎ウイルスへの曝露後対応
3 C型肝炎ウイルスへの曝露後対応
4 ヒト免疫不全ウイルスへの曝露後対応
5 ヒトT細胞白血病ウイルス1型への対応
4.医療関連感染予防のための水質管理
1 レジオネラ対策
2 加湿器の管理
3 製氷機の管理
4 生花の取り扱い
5 ウォーターサーバーの使用
5.感染対策における管理図の活用
1 管理図とは
2 管理図のフォーマット
3 管理図の種類
4 X?R管理図の活用
5 p管理図の活用
6 u管理図の活用
7 管理状態の確認と管理線の改訂
6.微生物検査室におけるバイオセーフティ
1 検査室関連感染とは
2 バイオハザードとバイオセーフティ
3 リスク評価
4 基本的な感染対策
5 追加的な感染対策
7.医療施設の建築・改築・解体工事における感染対策
1 工事に伴う医療関連感染リスク
2 リスク評価と対策
3 PCRAの運用例
4 ICRA(infection control risk assessment)マトリックス
8.感染源になりうる病院環境
1 高頻度接触環境表面
2 シンク
3 プライバシーカーテン
4 床
5 天井
9.清掃と医療関連感染
1 清掃の質をどのように評価するか
2 清潔さを追求する対策
10.超音波プローブの消毒
1 医療器具のリスク分類と再生処理工程
2 経腟・経直腸プローブに求められる消毒法
3 経腟・経直腸プローブの医療関連感染リスク
4 超音波検査用ゼリーを介した感染リスク
5 今できることは何か
11.手指衛生
[1]基礎知識
1 そもそも手指衛生は感染予防に有効なのか
2 手洗いと手指消毒のどちらを優先すべきか
3 手指衛生の手順の違いは効果に影響するか
4 手指衛生は何秒間実施すればよいか
5 ノンアルコール製剤は有用か
6 アルコールは皮膚から吸収されるか
[2]手指衛生のタイミング
手指衛生はいつ行うのがベストなのか
[3]手指衛生のモニタリング
1 モニタリング法
2 モニタリングデータの活用
[4]手指衛生について考える
1 手指衛生を多面的に捉える
2 リーダーシップ
3 環境改善と体制整備
4 教育と気づき
5 患者の関与
6 継続的モニタリング
7 チャンピオンとロールモデル
8 手指衛生は病院事業である
12.カテーテル関連尿路感染の予防
領域1 必要な患者に限り使用する
領域2 早期に抜去する
領域3 清潔に挿入・管理する
コラム 感染症業界ここがアカンやろ!
プロアクティブかつコスパ重視の中長期戦略がない!
13.医療現場におけるマスクの使い方
1 サージカルマスク
2 N95マスク
3 電気ファン付き呼吸用保護具(PAPR)
4 サージカルマスクか,N95マスクか
14.新興感染症のパンデミックにおける職業感染予防
1 職業感染予防における医療機関と職員の責務,権利,役割
2 実効性のある職業感染予防の体制
3 制御のヒエラルキーに基づく職業感染予防の考え方
15.日常と非日常をつなぐ医療関連感染予防・制御の体制
1 パンデミックがもたらす非日常のインパクト
2 推奨される日常のIPC体制とは