口腔機能障害のリハビリテーション臨床マニュアル**クインテッセンス出版/筒井 照子/978-4-7812-0998-2/9784781209982**
発行 2024年4月
判型:A4判 300頁
ISBN 978-4-7812-0998-2
編著:筒井 照子 / 国賀 就一郎
著:咬合療法研究会 / 日本包括歯科臨床学会
咬合と生体を見すえた歯科医療を実現・再現する筒井メソッドの集大成!
顔面や全身などの口腔外にも異常を及ぼす、力のアンバランスから起因する顎口腔機能の異常について、見過ごされやすい「その病態に至るまでの道のり」を探り、根本の原因から治癒する歯科治療のすべてを解説する一冊。筒井照子氏自身による治療メソッドの解説、そしてそのメソッドを継承する33名の執筆者から寄せられた60症例を供覧し、さまざまな状況に対しどのように汎用されているか、その実際を一望できる。
【目 次】
はじめに
Ⅰ 口腔機能を診る
Ⅰ-1 「歯があること」と「噛めること」
Case1-1A 噛めていたが,噛めない─加齢による咬合高径の低下─
Case1-1B 下顎位と習慣性咬合位が不調和だと噛めない
Case1-1C 生活習慣による下顎偏位のために噛めない
Ⅰ- 2 調和(バランス)を壊す生活習慣に注目する
Case1-2A 添い寝の保育士─態癖の怖さを理解してもらうことの難しさ
Case1-2B 口腔の崩壊と治癒の妨げに口唇癖,舌癖が強く影響することを経験した一例
Case1-2C 態癖を改めず,治療後に歯列の乱れが再発した症例
Case1-2D 態癖の改善により矯正歯科治療終了後に一段とバランスが改善した症例
Case1-2E 態癖指導が奏功せず頬杖が続き顎関節の問題を生じた症例
Ⅰ- 3 咬合崩壊の診断と回復計画のための診断( 2 つの咬合論)
Case1-3A 重篤な顎関節症患者のリラックスした顎位による咬合再構成
Case1-3B 下顎の右後方偏位がもたらされた経緯から咬合拳上のうえ咬合再構成した症例
Case1-3C 顎関節症患者への咬合基本治療とその後の矯正歯科治療
Case1-3D 頭痛,肩こりを訴える顎機能障害患者に対して咬合療法で改善を得た症例
Ⅰ- 4 個体差
Case1-4A [顎顔面の個体差]強筋型・ストレートで切端咬合のリスクのある症例
Case1-4B [顎顔面の個体差]骨格性Ⅱ級・弱筋型のリスクのある症例
Case1-4C [顎顔面の個体差]強筋型,過蓋咬合症例における咬合再構成
Case1-4D [顎顔面の個体差]骨格性Ⅲ級・短顔型の咬合再構成
Case1-4E [顎顔面の個体差]骨格性Ⅰ級・短顔型の総義歯による咬合再構成
Case1-4F [全身体格の個体差:今までの日本人]睡眠態癖によって歯列が変形するも動揺は限局した症例
Case1-4G [全身体格の個体差:これからの日本人]不適切なブラケットポジションから全身的な不定愁訴を発症した症例
Case1-4H [メンタルの個体差]不定愁訴─治療をする前に考えるべきこと
Ⅰ- 5 個体差に基づくスプリント療
Case1-5A スタビリゼーションスプリントによる下顎偏位の改善(診断用スプリント)
Case1-5B 軽度のOSASのASBPによる改善(治療用スプリント)
Case1-5C 骨格性Ⅲ級・長顔型,逆被蓋が深くなった症例へのひさし型スプリントでの対応(治療用スプリント)
Case1-5D 側方ガイドスプリントで咬合の安定を得た症例(治療およびメインテナンス用スプリント)
Case1-5E 側方ガイドスプリント症例(治療およびメインテナンス用スプリント)
Ⅰ- 6 咬合様式と限界運動・咀嚼運動
Case1-6A 咬耗による咬合様式の変化 歯周・補綴治療後30年の経過
Ⅰ- 7 顎関節は適応する
Case1-7A 関節突起・下顎頭の臨床的治癒像(リモデリング)
Ⅱ 顎口腔機能障害
Ⅱ- 1 顎口腔機能障害とは
Case2-1A 患者の語り(ナラティブ)から病態を読み解く
Case2-1B 歯肉からの出血についても力の要素を無視しない
Ⅱ- 2 顎口腔機能検査から何を読むか
Case2-2A 医療面接から検査を経て仮診断に至るまで
Case2-2B 急性期の関節症状への対応から
Case2-2C まず患者の訴えに耳を傾けME機器により確かめる
Case2-2D 経過良好と思われたが咬合再構成後15年を経て治療を見直した症例
Ⅱ- 3 咬合基本治療
Case2-3A 自験例で経験したからだの歪みとその解消
Case2-3B 生理学的咬合を目指して機能の可視化に重点を置いた症例
Case2-3C 矯正歯科治療後の後戻りにより生じた咀嚼時疼痛に対する咬合基本治療
Case2-3D スプリントとリシェイピングによる顎関節症の改善
Case2-3E 態癖の注意とスプリント,リシェイピングによる咬合接触面積の増大と咬合力の回復
Case2-3F 咬合基本治療で症状の改善を確認したうえでアライナーにより歯列を回復した症例
Case2-3G 繰り返すトラブルにあらためて咬合基本治療で対応する
Ⅱ- 4 2 つの基本治療
Case2-4A 限局型慢性歯周炎の治療における力のコントロール
Ⅲ 多様な顎口腔機能障害への対応
Ⅲ- 1 顎関節症
Case3-1A 歯周組織の外傷を主徴とする顎関節症患者
Case3-1B 顎関節症を主訴として訴えなかった患者
Case3-1C 態癖による歯列弓の狭窄と下顎の後退により発症した顎関節症
Case3-1D 骨格性Ⅲ級不正咬合,咬合不全をともなう変形性顎関節症
Case3-1E 長顔型・ハイアングルの個体差をふまえた顎関節症・開咬・叢生の治療
Ⅲ- 2 舌痛症・耳症状
Case3-2A 態癖をともなう不適切な修復治療により下顎偏位を生じ発症した舌痛症
Case3-2B 強い咬合力による咬合高径の低下と顎位の偏位による舌痛症を訴える患者
Case3-2C 舌痛の訴えに対処した全部床義歯治療
Case3-2D 難聴・耳鳴りを主訴とした下顎偏位症例
Case3-2E 耳の痛みを訴える患者の全身の歪み
Ⅲ- 3 睡眠時無呼吸症候群(SAS)に対する歯科の役割
Case3-3A 咬合基本治療と上顎側方拡大による軽度のOSASのリスク管理
Case3-3B 下顎後退した患者に対するスプリントを用いたOSASの改善
Ⅲ- 4 非歯原性歯痛
Case3-4A 下顎偏位による非歯原性歯痛の一例
Ⅲ- 5 一般に「不定愁訴」とされるケースへの対応
Case3-5A 外科的矯正治療後に咬合違和感を生じ不定愁訴が発現した症例
Case3-5B 医原性に不正咬合が惹起された症例
Case3-5C 患者の訴えと顎口腔形態の所見が一致しない症例
Ⅲ- 6 顎口腔機能障害の改善をともなう咬合再構成
Case3-6A 原因を探ることなく「咬合再構成」され,咬合不安定となった症例の歯冠形態修正
Case3-6B 顔面の非対称と顎機能障害をもつ患者に対する咬合療法をふまえた咬合再構成
Case3-6C う蝕の多発重症化により咬合崩壊に至った患者の全顎的な歯冠修復による咬合再構成
あとがき
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