診療報酬・介護報酬のしくみと考え方 第7版**日本看護協会出版会/福井 トシ子/978-4-8180-2903-3/9784818029033**
令和6年度改定対応
改定の意図を知り看護管理に活かす
発行 2024年10月
判型:B5判 272頁
ISBN 978-4-8180-2903-3
監修:福井 トシ子
編集:小野田 舞
「基本が学べて、わかりやすい」「初学の看護師、管理者にピッタリ!」と好評の入門書!
「そもそも診療報酬・介護報酬とは?」というレベルの基礎知識から、個々の報酬のもつ意味、最新の改定内容まで、わかりやすくまとめた入門書です。
第7版は、令和6年度の診療報酬・介護報酬の同時改定に対応。「処遇改善」「医療DX」といった改定ポイントを解説し、「外来看護」「働き方改革」「看護補助者」などに関連する情報を充実させました。
【目 次】
序章 なぜ、診療報酬・介護報酬を学ぶのか
0-1 2040年ごろをみすえた看護と報酬
ひっ迫する国の財源と社会保障制度
報酬改定の意図と国の財源・施策の動向を知る
2040年をみすえたマネジメントの必要性
求められる福祉の視点:地域共生社会
0-2 医療政策が決まるしくみ
医療政策とは?
「思い」から「制度・しくみ」が生まれる
0-3 医療政策の変遷
医療提供体制の変遷
進む機能分化
医療保険の変遷と推移
第1部 基本編
第1章 診療報酬・介護報酬のしくみと考え方
1.社会保険のしくみと考え方
目的に応じてみんなで少しずつ備える
社会保険は社会保障の1つ
病気やケガに備える医療保険
保険料で賄い、給付する
「使われるお金」に「出し合うお金」が追いつかない
社会保険をどうしていけばよいのか?
国民所得の3分の1が医療・福祉・年金の費用
2.保健、医療、福祉の違い
保健、医療、福祉の違いとは?
保健、医療、福祉の中身
3.医療保険のしくみと考え方
職業などにより異なる
医療保険のしくみ
医療保険のお金の流れ
支払基金・国保連による請求内容の審査
4.保険診療の中身と範囲
保険証が使えるのはどんなとき?
保険診療と自由診療
混合診療の禁止
医療保険が使える医療とは?
保険外併用療養費制度:限定的に保険診療との併用を認める
医療機関は保険者に代わって医療サービスを提供
中医協:「療養の給付」の中身と価格を決める
5.介護保険のしくみと考え方
介護保険制度とは?
介護保険と医療保険の違いとは?
①加入者:医療保険は20歳以上介護保険は40歳以上
②サービスを受けるには認定が必要:「自立支援」という理念
③給付に上限あり:超えた分は自費
④ケアプランを立てるのはケアマネジャー
⑤地域との結びつきが強い社会保険:保険者は市区町村
6.診療報酬のしくみと考え方
診療報酬とは?
診療報酬改定:2年ごとに見直す
診療報酬改定は医療の課題を解決する機会
医科の診療報酬の構成
診療報酬の大きな2つの柱:基本診療料と特掲診療料
外来・入院の報酬算出のしくみ
“もの”の評価:薬剤と材料
7.介護報酬のしくみと考え方
介護報酬とは?
介護報酬改定:3年ごとに見直す
地域区分とサービスの種類により異なる単価
8.訪問看護の位置づけとしくみ
訪問看護とは?
医療と介護を結びつける
在宅医療とは?
医療保険・介護保険から利用が可能
医療機関や訪問看護ステーションから提供
訪問看護ステーションの開設・指定
訪問看護ステーションの運営:サービス提供の流れ
医療機関勤務の看護師にも必要な訪問看護の知識
訪問看護の費用の請求
9.診療報酬上の入院看護の評価の歴史
「完全看護加算」の創設(昭和:第2次世界大戦後~)
「完全看護」から「基準看護」へ
「看護料」の創設
「新看護体系」と「新看護補助体系」の創設(平成~現在)
すべての付添看護の廃止
「看護料」が「入院基本料」に統合
7対1入院基本料
「看護必要度」が7対1入院基本料の算定要件に
急性期医療・認知症患者受け入れの評価
新たな入院医療の評価体系の導入
第2章 診療報酬・介護報酬の改定の意図・方向性
─2040年をみすえた全世代型社会保障へ
10.人生100年時代の到来
2040年に向かう社会構造の変化
人生100年時代の到来
健康寿命の延伸
11.医療政策の方向性と流れ:全世代型社会保障改革へ
全世代型社会保障改革
持続可能な制度のための改革:後期高齢者の窓口負担の引き上げ
これからの改革
12.持続可能な医療・介護に向けた政策
医療介護総合確保推進法
財政支援制度:地域医療介護総合確保基金とは
基金の対象事業:医療従事者の確保に関する事業
13.地域における効率的かつ効果的な医療提供体制の確保
医療提供施設の種類と機能
病床の種類と機能
病棟の考え方
地域にふさわしい医療機能と量を提供する:病床機能報告制度と地域医療構想
診療報酬改定による医療機能の分化・連携の後押し
入院医療:患者像に応じた機能分化と在宅への誘導
在宅医療:病院からの在宅復帰を誘導・促進
在宅医療:質の高い訪問看護の確保
医療におけるICTの利活用・デジタル化への対応
column:マイナ保険証と医療DX
14.報酬の算定と運用が具体的に決まるしくみ
診療報酬に関連する公的な文書とは?:法令と解釈文書
告示:診療報酬点数表は算定の骨組み(例:入退院支援加算1)
通知:省令や告示の内容を、より具体的に示す
疑義解釈(Q&A)を通じて運用に柔軟性をもたせる
長期間にわたりチェックしてみる
15.地域包括ケアシステムから地域共生社会へ
地域包括ケアシステムとは
包括的・継続的なサービス提供におけるサービス調整
病院・診療所と訪問看護ステーションの連携、ケアマネジメント
2040年に向けて、地域共生社会の実現へ
地域共生社会の実現に向けたデータヘルス改革
第2部 ステップアップ編
第3章 診療報酬の算定と評価の考え方
16.外来の診療報酬
初診料
再診料と加算
検査
医薬品:処方料、処方箋料
外来看護の重要性と評価
診療所・中小病院の主治医機能を評価:外来医療の機能分化・連携
地域における療養支援等の確立
17.入院基本料と看護配置、入院基本料等加算の考え方
入院基本料とは?
入院基本料の施設基準
入院基本料算定の前提となる7要件
入院基本料の種類:病棟や医療機関の機能による設定
看護配置とは?
看護配置の算出方法
平均在院日数
入院基本料等の統合・再編
入院基本料等加算
18.重症度、医療・看護必要度の考え方
看護必要度の開発・導入の背景
重症度、医療・看護必要度の見直し:平成18?30年度改定
調査結果を反映した評価項目と施設基準の見直し:令和4年度改定
医療機能分化の着実な推進:令和6年度改定
column:地域医療包括病棟
19.DPC、DPC
PDPSの考え方
医療費の算出:出来高払い方式・包括払い方式
DPC
PDPSとは:急性期の入院医療に導入された包括払い方式
「1日あたり」の包括払い方式の考え方
診断群分類(DPC)の構造とは?
DPC算定をする施設とは?:DPC対象病院
DPC算定対象となる病床・患者とは?
DPC算定対象とならない患者とは?
診断群分類(DPC)の報酬の算定
包括評価額の算出と医療機関別係数
平均在院日数の短縮とDPC
PDPS
在院日数が短いほど「1日あたりの点数」は高い設定
DPCデータの提出とは?
DPC
PDPSは生き残りに必須?
20.手術点数の考え方
部位による分類
点数に含まれるもの・含まれないもの
施設基準を満たしていることの届出
子どもの手術には特別増額措置あり
複数の手術を同時に行う場合
ロボット支援下手術の拡大
21.処置点数の考え方
通常使われる衛生材料などの費用は点数に含まれる
22.診療報酬上の看護の専門性の評価
認定看護師・専門看護師・特定行為研修修了者の看護技術の評価
入院医療における評価
外来における評価:在宅療養継続に役割を果たす
訪問看護:「地域」に拡がる活動の場
特定行為研修修了者の評価
専門性評価のための働きかけ
23.人材確保と働き方改革
これまでの診療報酬改定による労働環境改善への誘導
看護管理者の役割:看護職が働き続けられる労働環境整備
24.看護補助者に関連する診療報酬
看護補助者について
令和4年度改定
令和6年度改定
看護補助者に関連する日本看護協会の取り組み
25.看護職員の処遇改善
賃金構造基本統計調査から看護職員の給与を考える
看護職員の処遇改善に至った経緯
令和4年度改定における対応
国家公務員医療職俸給表(三)の改正
令和6年度改定における対応
26.新興感染症と災害への対応
感染症の予防と発生時の対応
大規模災害発生時の対応
新興感染症や災害発生時に施設基準が守れないときの特例措置
27.不妊治療の保険適用
不妊治療が保険適用となった経緯
保険適用による影響
令和6年度改定における評価の見直し
不妊治療における看護職の役割
28.周産期関連の診療報酬
診療報酬と妊娠・出産
妊産婦に対する保健事業
周産期医療と診療報酬
第4章 地域包括ケアの実現に向けて
─在宅療養を支える入退院支援・連携の評価と訪問看護、介護サービス
29.入退院支援と地域連携の評価
地域連携とは?
院内完結型から地域完結型医療へ
ますます高まる地域連携の重要性
在宅復帰、病床機能連携の促進
入退院支援や地域連携を評価する診療報酬
30.在宅療養支援のための入退院支援・連携の考え方と評価
退院後の療養生活をみすえた入退院支援・連携
入退院支援・退院調整とは?
入退院支援・退院調整の流れと多職種協働
ますます求められる“看護をつなぐ”退院調整
入退院支援加算
退院時共同指導料
介護支援等連携指導料
退院直後の在宅療養支援
[事例]慢性心不全の増悪で入院された患者のケース
[事例]くも膜下出血の患者が退院後に看多機利用に至ったケース
[事例]NICUで気管切開術をした患者が在宅支援病棟を経て退院したケース
31.在宅医療における診療報酬
在宅医療の診療報酬のしくみ
在宅医療を行う医療機関
患者の重症度と居住場所
在宅医療における主な診療報酬
32.訪問看護サービスの役割、対象者、報酬
訪問看護の動向
訪問看護の利用者(介護保険・医療保険)
医療保険からの訪問看護
介護保険からの訪問看護
医療機関(病院・診療所)からの訪問看護
令和6年度改定
33.介護サービスの種類
措置制度にみられた課題
措置制度から社会保険制度へ
介護保険のサービスの種類と給付
介護給付の介護サービス
介護人材の確保・定着
予防給付の介護サービス
column:障害福祉サービス等報酬改定
34.居宅介護支援(ケアマネジメント)
居宅介護支援とは?
介護支援専門員とは?
ケアプランの立案
ケアプラン実施後の調整・連携
サービスの基本報酬と加算
適切なケアプラン作成に向けて
35.居宅サービス①訪問系サービス
サービスの種類
サービスの基本報酬と加算
36.居宅サービス②通所系サービス
通所系サービスの種類
サービスの基本報酬と加算
37.居宅サービス③短期入所系サービス
サービスの種類
緊急時受け入れを評価
サービスの基本報酬と加算
38.居宅サービス④特定施設入居者生活介護
サービスの基本報酬と加算
39.居宅サービス⑤福祉用具貸与・特定福祉用具販売
福祉用具貸与
費用について
特定福祉用具販売
価格情報を一般にも公表
40.施設サービス(介護保険施設)
介護老人福祉施設
介護老人保健施設
介護医療院
看取りを支えるケア
医療と介護の連携強化
41.地域密着型サービス
認知症対応型共同生活介護
小規模多機能型居宅介護
42.看護小規模多機能型居宅介護
看多機の利用しやすいしくみづくり
共生型サービスの展開
43.介護予防サービス
「軽度」の要介護者の増加
介護予防サービスを創設
サービスの種類