咳嗽・喀痰の診療ガイドライン 2025 第2版**一般社団法人 日本呼吸器学会/日本呼吸器学会/978-4-7792-2751-6/9784779227516**

販売価格
4,950円(税込み)
出版社
日本呼吸器学会
分野
呼吸器一般

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特集
新刊
販売期間
2025/04/21~
商品コード
9784779227516
発行 2025年4月
判型:A4変型 256頁
ISBN 978-4-7792-2751-6

編集:日本呼吸器学会 咳嗽・喀痰の診療ガイドライン第2版作成委員会

咳嗽は呼吸器疾患の日常診療において最も高頻度に遭遇する症状の1 つであり,とりわけ長引く咳や頑固な咳で医療機関を受診する患者さんは年々増加の一途を辿っています。日本呼吸器学会では,2005 年の『咳嗽に関するガイドライン』初版に引き続いて,2012 年に第2 版を,さらに2019 年に『咳嗽・喀痰の診療ガイドライン2019』を発刊しました。2019 年版ではタイトルからもおわかりのように,咳嗽のみではなく,密接に関連している「喀痰」も含めた診療ガイドラインとなりましたが,喀痰のガイドラインは当時世界初となりました。2019 年版で新規に取り上げた「感染予防策」は2019 年以降の新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックに大いに役立ったのではないかと思いますし,この版で新たな概念として取り上げた「咳過敏症」に関してはその後のP2X3 受容体拮抗薬の使い方の参考になったのではないでしょうか。2019 年以降もさまざまな咳嗽や喀痰に関する考え方の変化,新たな咳嗽に対する薬剤としてP2X3 受容体拮抗薬の発売が行われるなど,改訂の必要性が生じ,今回の発刊となりました。

今回,このガイドラインで初めて試みた9 つのクリニカルクエスチョン(CQ)に対するシステマティックレビュー(SR)や巻頭フローチャートの改訂に時間を要しましたが,ようやく『咳嗽・喀痰の診療ガイドライン第2 版2025』の発刊にこぎつけました。

本ガイドラインは,咳嗽・喀痰の診療を種々の側面で支援することを目的に作成された指針でありますが,以前のガイドラインの考え方と同様に,咳嗽・喀痰の診断法や治療法をこのガイドラインで強制するものではありません。今後も最新のエビデンスを集めながら,本邦の実情に合ったより使いやすいガイドラインへの改訂を続けていく必要があります。

(一般社団法人 日本呼吸器学会 咳嗽・喀痰の診療ガイドライン第2 版作成委員会「序」より抜粋)

【目 次】
作成方針と使用上の注意
巻頭フローチャート① 成人急性咳嗽への対応
巻頭フローチャート② 成人遷延性・慢性咳嗽への対応
CQ 本文と推奨文のまとめ
咳嗽・喀痰の診療ガイドライン2025 作成委員会
COI(利益相反)について
改訂のポイント
略語一覧
  
Chapter 1 緒言
  序
  咳嗽部門 緒言
  喀痰部門 緒言
  
Chapter 2 咳嗽総論
  2-1 咳の発生機序
  2-2 咳の分類と原因疾患
  2-3 咳嗽の疫学とリスク・誘発因子
  2-4 咳嗽の日常生活に対するインパクト
  2-5 咳の合併症
  2-6 咳嗽診療の原則
  2-7 咳嗽の専門的検査
  2-8 咳の評価法
  2-9 咳嗽治療薬
  
Chapter 3 喀痰総論
  3-1 喀痰の発生機序
  3-2 喀痰の分類と原因疾患
  3-3 喀痰診療の原則と喀痰治療薬
  3-4 最近のトピック(閉塞性肺疾患における気道粘液栓)
  
Chapter 4 主要な原因疾患
  A 感染性咳嗽
  A-1 感染性咳嗽
  A-2 急性気管支炎
  A-3 COVID-19
  A-4 結核・結核性抗酸菌(NTM)症 ※修正が入る可能性があります。
  
  B 感染後咳嗽
  
  C 慢性気道炎症性疾患
  C-1 慢性閉塞性肺疾患(慢性気管支炎)
  C-2 副鼻腔気管支症候群(SBS)
  C-3 びまん性汎細気管支炎(DPB)
  C-4 気管支拡張症(BE)
  C-5 鼻副鼻腔炎(従来型,好酸球性)
  C-6 後鼻漏症候群による咳嗽(postnasal drip-induced cough)
  
  D 気管支喘息,アレルギー関連疾患
  D-1 喘息・咳喘息
  D-2 アトピー咳嗽
  D-3 喉頭アレルギー(laryngeal allergy)
  
  E 胃食道逆流症
  F 間質性肺炎
  G 胸部悪性腫瘍
  H 睡眠時無呼吸症候群
  I 薬剤による咳
  J 職業性・環境因子
  K 近年知られるようになった慢性咳嗽の原因や病態
  L 難治性慢性咳嗽
  M 人工呼吸器関連の気道分泌管理
  N 咳反射低下症
  
Chapter 5 小児
  A 小児咳嗽総論
  A-1 フローチャート
  A-2 年齢による原因疾患と頻度
  A-3 小児の急性咳嗽
  A-4 小児の慢性咳嗽
  A-5 小児の救急外来で見逃してはならない咳嗽
  A-6 小児における鎮咳薬の使用法と注意点
  
  B 小児喀痰総論
  B-1 小児の喀痰の特徴
  B-2 喀痰を来す疾患と喀痰調整薬
  
  C 小児咳嗽各論
  C-1 小児急性咳嗽(クループの症状,病態,治療)
  C-2 感染後咳嗽
  C-3 小児の喘息による咳
  C-4 心因性咳嗽
  C-5 小児の異物
  
  D 小児喀痰各論
  D-1 小児の喘息の慢性喀痰症状に対する治療
  D-2 小児の肺炎・気管支炎の喀痰に対する治療
  
Chapter 6 Clinical Question
  CQ 1 吸入ステロイド薬(ICS)を慢性咳嗽患者に使用するべきか
  CQ 2 プロトンポンプ阻害薬(PPI)を胃食道逆流症(GERD)による咳嗽患者に推奨するか
  CQ 3-1 抗コリン薬は感染後咳嗽に有効か
  CQ 3-2 抗コリン薬は喘息による咳嗽に有効か
  CQ 4 P2X3 受容体拮抗薬はRefractory Chronic Cough/ Unexplained Chronic Cough に有効か
  CQ 5 COPD の安定期治療において喀痰調整薬は推奨されるか
  CQ 6 COPD の安定期治療においてマクロライド少量長期投与は有効か
  CQ 7 喘息の安定期治療においてマクロライド少量長期療法は推奨されるか
  CQ 8 気管支拡張症に対してマクロライド少量長期療法は推奨されるか