オーバーレイ修復 超入門**クインテッセンス出版/辻本 真規/978-4-7812-1130-5/9784781211305**
発行 2025年5月
判型:A4判 144頁
ISBN 978-4-7812-1130-5
オーバーレイ修復の決定版、ついに登場! わかる・できるようになる1冊
「インレーでは対応できないが、フルクラウンを入れるには削除しすぎる…」、本書はそういうときに役立つ、オーバーレイという選択肢を増やすために必要な導入のポイントが、初心者でもわかりやすく書かれた、決定版ともいえる入門書。オーバーレイ修復の基礎的な解説やそれを行う多くの歯科医師が悩むであろう「脱離・破折しないか」「形成が難しそう」「接着が難しそう」という不安を解消でき、明日からの臨床に役立つ。
【目 次】
本書のはじめに
特別付録
・オーバーレイのセット手順① コンポジットレジンの場合
・オーバーレイのセット手順② レジンセメントの場合
・窩洞に対する修復処置の選択チャート
窩洞に対する修復処置の選択チャート
プロローグ
修復治療のひとつとしてオーバーレイという選択肢を増やそう!
臼歯部における直接接着修復(ダイレクトボンディング)と間接接着修復(インダイレクトボンディング)の判断基準
コラム① インレー,アンレーで修復したときの応力のかかり方
CHAPTER 1 オーバーレイ概論
オーバーレイとはなにか,基本的な部分をわかりやすく解説します
①咬合面を覆っているが,フルクラウンのように全周を歯頸部まで削らない修復物をオーバーレイという
コラム② IDSとは?
Case 1 :オーバーレイの典型的な臨床例
②フルクラウンより歯の削除量は大幅に少なくなる.
③大きな修復物を入れると天然歯とは異なる力のかかり方をする.オーバーレイはそれを回復してくれる
コラム③ 歯の組成・構造・力のかかり方を理解する!
Case 2 :支台歯への応力集中が問題となっていたと思われる症例
④維持形態や抵抗形態がないので,接着が命! 取れそう?ちゃんと治療すれば取れません!
窩洞に対する修復処置選択
コラム④ オーバーレイなどの部分被覆冠は予後が悪い?
CHAPTER 2 オーバーレイの選択基準
こんなときはオーバーレイを考えよう!
①窩洞が「広い」,「深い」,「歯質が薄い」
コラム⑤ そもそも臼歯の大きさはどのくらい?
コラム⑥ DMEとは?
②象牙質へ及ぶ亀裂がある
③辺縁隆線が両方ない(削ったらなくなる,薄い)
Case 3 :6,7にアンレーを認める症例
④根管治療歯で歯質が比較的残っている.クラウン形成を行うと歯質が薄くなる場合
Case 4 :根管治療後にオーバーレイを選択した治療例
コラム⑦ マテリアルの選択
CHAPTER 3 オーバーレイの形成デザイン
オーバーレイの形成デザインを考える
実際の研究ではどうなっているのか?
頬舌側の形成デザイン
形成デザインで考えること①「残存歯質の厚みと窩洞の幅,深さ」
形成デザインで考えること②「審美的な要求により頬側のマージン位置を決める」
形成デザインで考えること③「エナメルリングの残存量とエナメル小柱の走行」
隣接面の形成デザイン
Case 5 :二ケイ酸リチウムで製作したオーバーレイをセットした症例
CHAPTER 4 臼歯部間接接着修復(PIAR)の手順
臼歯部間接接着修復(PIAR)の手順
オーバーレイの形成法
実際の形成手順(上顎第一大臼歯にMODのインレーが入っており,二次う蝕になっている場合の形成)
実際の形成手順①「修復物の除去,ガイドグルーブの形成」
実際の形成手順②「右側の形成」
実際の形成手順③「左側の形成」
実際の形成手順④「バットジョイントの形成完成」
実際の形成手順⑤「う蝕の除去」
実際の形成手順⑥「頬舌側面ベベルの付与」
実際の形成手順⑦「隣接面のスロット部から頬舌側面への移行部のベベル形成」
実際の形成手順⑧「咬合面裂溝部は必要に応じて再度削合する」
実際の形成手順⑨「う蝕の除去でできたアンダーカットや,露出した象牙質をIDSする」
実際の形成手順⑩「IDSでできた未重合層をブラシで除去する」
実際の形成手順⑪「シリコーンポイントでエナメル質の凹凸を研磨する」
①シェードテイキング,⑤プラーク染め出し・清掃の手順の確認
CHAPTER 5 オーバーレイのためのラバーダム防湿
間接接着修復でのラバーダム防湿
コラム⑧ ラバーダムシートが破れないようにするには?
通常のラバーダム防湿+αでより快適なラバーダム防湿を!
覚えておきたい 3 つのクランプの使い方
圧排糸とスーパーフロスの応用
CHAPTER 6 Immediate dentin sealing(IDS)
象牙質即時封鎖(IDS)の特徴とメリット
コラム⑨ オーバーレイでは接着が大切!
接着力最大化のために守りたい 3 つのこと
接着力最大化のために①「歯面清掃をする」
接着力最大化のために②「ラバーダム防湿をする」
接着力最大化のために③「IDSを行う」
重合収縮応力を緩和させるために守りたい 3 つのこと
重合収縮応力を緩和させるために① 「間接(インダイレクト)または半間接(セミダイレクト)修復を用いて,エナメル質の置換を行う」
重合収縮応力を緩和させるために②「HOBを理解する」
重合収縮応力を緩和させるために③「ライニング・積層充填をする」
IDSの未重合層は,印象にも仮封にも影響するので注意する
CHAPTER 7 オーバーレイの接着操作
オーバーレイの接着操作
それぞれの被着面への接着処理
コラム⑩ サンドブラスト処理の有効性
修復物に対する接着処理
各種材料について
CHAPTER 8 フローチャートを用いたオーバーレイ修復の実際
Case 6 :5に部分断髄およびオーバーレイ修復を行った症例
Case 7 :開咬および歯冠萌出不全の7に対するアンレー修復を行った症例
Case 8 :6にベニアレイを選択した症例
Case 9 :根管治療歯にODインレー修復がされていたが近心にう蝕を生じており,オーバーレイを選択した4の症例
Case10:6の広範囲なOBインレーの隣接面に生じたクラックおよびう蝕と,7遠心に生じたクラックから失活した歯に対して根管治療およびオーバーレイを選択した症例
Case11:7に咬耗およびクラックを認めた症例
参考文献
本書のおわりに
APPENDIX