最新臨床検査学講座 生物学**医歯薬出版/櫻井 博/978-4-263-22507-3/9784263225073**
発行 2026年3月
判型:B5判 248頁
ISBN 978-4-263-22507-3
編著:櫻井 博
著:荒磯 裕平 / 大日 向浩 / 田中 浩輔
専門科目の学びにつながる!臨床検査技師のための「生物学」のテキスト
●「ヒトに特化した内容」とし,側注やコラムで専門科目や臨床検査とのつながりにふれつつ,臨床検査技師に必要な生物学の知識を解説した.
●章の冒頭に「到達目標」を入れ,学習内容を明確にした.
●他の科目を学ぶうえで本書をベースとして学習を進められるように,重要な物質や反応の過程などの構造式・化学式を図示した.
●一部の図は,専門基礎科目(解剖学,生化学など)や専門科目(遺伝子関連・染色体検査学など)の赤本と共通の図を使用し,振り返りをしやすくした.
●代表的な疾患・病態(遺伝性疾患,代謝異常など)の解説も入れ,専門科目で病態を学ぶ際に学習をより深められるようにした.
【目 次】
第1章 生体を構成する物質
I 生体を構成する元素
II 生命活動に必須の化合物
1 水
2 タンパク質
1)アミノ酸
2)ペプチド結合
3)立体構造
3 炭水化物(糖)
1)単糖類
2)二糖類
3)多糖類
4 脂質
1)脂肪酸(誘導脂質)
2)中性脂肪(単純脂質)
3)リン脂質や糖脂質(複合脂質)
4)ステロイド(誘導脂質)
5 核酸
1)ヌクレオチド
2)DNA
3)RNA
6 無機物
第2章 細胞の構造と機能
I 細胞とは
1 生物の基本単位「細胞」
2 細胞の特徴と生物
1)細胞膜:外部環境と内部の区切り
2)代謝:エネルギー変換と物質の合成・分解
3)自己複製(遺伝):同じ子孫をつくる
II 原核生物と真核生物
1 生物の分類
2 細胞膜と浸透圧
1)細胞膜
2)浸透圧
3 原核生物と真核生物
4 ウイルスとバクテリオファージ
III 真核細胞の細胞小器官
1 細胞質基質
2 核
3 小胞体
1)粗面小胞体
2)滑面小胞体
4 ゴルジ装置(ゴルジ体)
5 リソソーム
6 ペルオキシソーム
7 ミトコンドリア
8 植物の細胞小器官
1)色素体
2)液胞
9 細胞内共生説
IV 真核細胞の細胞骨格
1 微小管
1)中心体の形成
2)細胞の形態
3)線毛と鞭毛
4)細胞分裂(核分裂)時の紡錘体
5)細胞内輸送
2 アクチンフィラメント(マイクロフィラメント)
1)細胞の表面構造
2)細胞運動
3)細胞分裂(細胞質分裂)時の収縮環
4)細胞間接着
3 中間径フィラメント
第3章 物質代謝とエネルギー代謝
I エネルギーの通貨:ATP
II 酵素
1 触媒としての酵素
2 酵素反応の調節
1)補因子
2)至適温度と至適pH
3)アロステリック制御
4)化学修飾による調節
5)限定分解による調節
3 酵素の反応速度
1)酵素反応の特徴
2)ミカエリス・メンテンの式
3)酵素の阻害
4 補酵素とビタミン
III 消化と吸収
1 糖質の消化と吸収,貯蔵
2 脂質の消化と吸収,貯蔵
3 タンパク質の消化と吸収
IV 代謝
1 糖質の代謝
1)解糖系
2)乳酸合成
3)アルコールと解毒
4)糖質のさまざまな代謝経路
2 クエン酸回路と電子伝達系
1)ピルビン酸とアセチルCoA
2)クエン酸回路
3)電子伝達系
4)細胞呼吸により合成されるATP
3 脂質の代謝
1)脂質の分解
2)脂質の合成
4 タンパク質の代謝
1)タンパク質の代謝回転
2)アミノ基転移反応と酸化的脱アミノ反応
3)尿素回路
5 酵素と臨床検査
第4章 遺伝と遺伝情報
I 遺伝情報と形質発現
1 遺伝子DNA
1)セントラルドグマ
2)遺伝情報の伝達
2 転写:RNAの合成
1)転写と遺伝子発現
2)RNAポリメラーゼによる転写
3)プロモーターとターミネーター
4)真核生物での転写装置
5)転写の調節
6)真核生物mRNAのプロセシング
3 翻訳:タンパク質の合成
1)タンパク質の合成に必要な3種のRNA
2)コドン:遺伝暗号
3)翻訳のメカニズム
4)タンパク質の修飾
4 DNAの合成・複製
1)半保存的複製と二方向性複製
2)DNAポリメラーゼ
3)複製のメカニズム
4)真核生物でのDNA複製
5 DNAの修復と疾患
1)DNAの変異と変異原
2)DNAの変異とタンパク質
3)変異修復のメカニズム
4)修復機構と疾患
II ヒトの遺伝子と染色体
1 ヒトゲノム
1)ゲノムとは
2)ヒトゲノムと遺伝子
2 染色体の構造
3 染色体と性決定
1)ヒトの染色体
2)相同染色体と染色分体
3)性染色体と性決定
4 染色体異常と疾患
1)核型と染色体上での住所
2)常染色体の数的異常(異数性)
3)性染色体の数的異常(異数性)
4)染色体の構造異常
5)慢性骨髄性白血病とフィラデルフィア染色体
III 遺伝の法則
1 メンデルの法則
1)顕性の法則
2)分離の法則
3)独立の法則
2 ヒトの単一遺伝子による遺伝
3 ABO血液型の遺伝
IV ヒトの遺伝性疾患
1 常染色体顕性遺伝
1)ハンチントン病(Huntington's disease)
2)家族性(遺伝性)腫瘍
2 常染色体潜性遺伝
1)フェニルケトン尿症
2)ライソゾーム(リソソーム)病
3)鎌状赤血球症
3 X連鎖遺伝(伴性遺伝)
1)血友病(hemophilia)
2)筋ジストロフィ
4 多因子遺伝病
5 ミトコンドリア病
6 ゲノムの刷り込み
7 集団の遺伝
1)集団内でのRh血液型の遺伝
2)常染色体潜性遺伝する遺伝病の保因者
第5章 細胞の増殖,生殖細胞の形成
I 細菌の増殖
1 増殖と無性生殖
2 細菌の増殖・二分裂
3 細菌の増殖速度
II 真核生物の細胞周期
1 細胞周期
1)間期と分裂期
2)細胞周期のなかにいる細胞と細胞周期から外れた細胞
3)分裂期には2種類の分裂(核分裂と細胞質分裂)がある
4)間期には3つの時期(G1期,S期,G2期)がある
5)G0期
2 細胞周期の調節とがん化
1)チェックポイントによる細胞周期の調節
2)DNA損傷と細胞周期チェックポイント
3)細胞周期の調節:サイクリンとサイクリン依存性キナーゼ
4)腫瘍とがんと遺伝子
5)がんをもたらす遺伝子
6)がん原遺伝子・がん遺伝子とがん抑制遺伝子の働き
III 体細胞と生殖細胞の違い
IV 体細胞分裂の過程
1 核分裂
1)前期
2)中期
3)後期
4)終期
2 細胞質分裂
V 減数分裂の特徴
1 二価染色体
2 相同染色体の遺伝子組換えと正確な分配
VI 減数分裂の過程
1 第一分裂
1)前期I
2)中期I
3)後期I
4)終期I+細胞質分裂I
2 第二分裂
1)前期II
2)中期II
3)後期II
4)終期II+細胞質分裂II
VII ヒトの生殖細胞の形成
1 生殖細胞系列
2 精子形成
1)精子の形成
2)精細管での精子の発育
3)精子の構造と働き
3 卵子形成
1)卵子の形成
2)卵胞の発育
3)卵子の構造と働き
第6章 受精・発生・分化
I 受精
1 有性生殖の利点
2 動物の受精
3 体外受精と体内受精
4 動物の受精の仕組み
5 ウニの受精
1)受精前の卵と精子:運動能と走化性
2)先体反応:種特異性と多精拒否
3)表層反応:多精拒否
4)精子の核の進入と卵の活性化
6 ヒトの受精
1)受精前の卵子と精子:運動能と走化性
2)先体反応:種特異性
3)表層反応:多精拒否
4)精子の核の進入と卵子の活性化
II 卵割と胞胚形成
1 卵割
1)卵割と割球
2)卵割の細胞周期
3)卵黄
4)卵の種類と卵割様式
5)細胞質決定因子(母性因子)
2 胞胚形成(カエル)
1)脊椎動物の発生のモデル動物としてのカエル
2)カエルの発生
III 胚葉と器官形成
1 胚葉形成(カエル)
1)原腸胚期(=嚢胚期)
2)神経胚期から尾芽胚期
2 器官形成
1)外胚葉
2)中胚葉
3)内胚葉
IV 発生の調節
1 受精卵の全能性
1)分化能と全能性
2)遺伝子発現と細胞分化
2 細胞の誘導
1)胚の背腹軸の決定
2)中胚葉誘導における背腹軸の決定
3)誘導の連鎖による形態形成
第7章 ヒトの初期発生
I 卵割と胚盤胞形成
1 卵割と母性因子の活性化
2 桑実胚とコンパクション
3 胚盤胞の形成
II 内部細胞塊と胚葉形成
1 胚盤胞の孵化と着床
2 内部細胞塊の分化
3 原始線条と三胚葉形成
III 胚を支える器官
1 卵黄嚢と羊膜腔
2 胎盤と付着茎の形成
3 胎盤の役割
IV 器官形成
1 三胚葉から各器官の形成
1)外胚葉
2)中胚葉
3)内胚葉
2 性の分化
1)性腺(生殖腺)の分化
2)内性器と外性器の分化
V 生殖と医療
1 先天性の異常
1)胎児の先天異常の原因
2)薬剤による先天異常
2 出生前診断
1)超音波・エコー検査
2)遺伝学的検査
3 多能性幹細胞と医療
1)ES細胞
2)iPS細胞
第8章 生体の構造と機能
I 器官と器官系
II 組織(tissue)
1 上皮組織(epithelial tissue)
1)扁平上皮
2)立方上皮
3)円柱上皮
4)移行上皮
2 結合組織(connective tissue)
1)線維性結合組織
2)軟骨組織
3)骨組織
4)血液
3 筋組織(muscular tissue)
1)骨格筋
2)心筋
3)平滑筋
4 神経組織(nervous tissue)
1)ニューロン(神経細胞,neuron)
2)シナプスと情報伝達
3)グリア細胞(神経膠細胞)
4)髄鞘の役割
第9章 恒常性の維持
I 恒常性の維持
II 体液
1 血液
2 組織液とリンパ液
1)間質液
2)リンパ液
3)脳脊髄液
III 心臓と血液循環
1 血液循環経路
2 心臓
3 血管系
IV 神経系による調節
1 自律神経系
1)交感神経系
2)副交感神経系
2 自律神経系による血流や呼吸の調節
1)心臓
2)血管
3)血液循環の反射性調節
4)呼吸運動の調節
V 内分泌による調節
1 ホルモンの特徴
1)ホルモンの種類
2)ホルモンの作用や分泌調節の特徴
2 内分泌器官とホルモン
VI 内分泌機構や自律神経系による恒常性の調節
1 水分量と血圧の調節
2 無機塩類の調節
1)Na+の排出調節
2)Ca2+の調節
3 性周期の調節
4 血糖調節
1)血糖低下ホルモンと副交感神経
2)血糖上昇ホルモンと交感神経
5 体温調節
VII 内分泌系の疾患
糖尿病
1)1型糖尿病
2)2型糖尿病
第10章 生体防御機構と免疫
I 免疫と免疫系を担う細胞
1 自然免疫を担う細胞
1)好中球
2)マクロファージ
3)樹状細胞
4)好酸球
5)好塩基球およびマスト細胞
6)自然リンパ球(NK細胞など)
2 獲得免疫を担う細胞
1)T細胞
2)B細胞
II 自然免疫
1 物理的および化学的な防御
2 免疫細胞による自然免疫の仕組み
1)貪食作用
2)補体による作用
3)炎症作用
4)NK細胞による作用
III 獲得免疫
1 非自己物質の認識と抗原提示
2 細胞性免疫
3 液性免疫(B細胞による抗体産生)
4 免疫の抑制と記憶
5 抗体分子
1)基本構造
2)クラススイッチ
3)B細胞受容体(BCR)
4)T細胞受容体(TCR)
6 抗体の多様性
IV 免疫疾患
1 免疫寛容,自己免疫疾患
2 免疫不全
3 アレルギー
V 免疫反応と医療
1 予防接種とワクチン
2 血液型と輸血
1)ABO血液型
2)Rh血液型
3)輸血反応
3 臓器移植
1)移植抗原の認識
2)拒絶反応
3)免疫抑制療法
Column
1-1 感染性のタンパク質「プリオン」
2-1 抗生物質,抗菌薬
3-1 リポタンパク質
3-2 酸素や有機物を供給する光合成
4-1 選択的スプライシング
4-2 ノンコーディングRNA
4-3 DNA増幅「PCR」
4-4 変異と多型
4-5 染色体末端テロメアの重要性
4-6 家系図の書き方(X連鎖潜性遺伝する遺伝病)
4-7 X染色体の不活性化
4-8 片親性ダイソミー
5-1 がん原遺伝子とがん抑制遺伝子
6-1 不妊検査
7-1 幹細胞
8-1 活動電位
9-1 心電図
10-1 サイトカイン