神経症状の診かた・考えかた 第3版**医学書院/福武 敏夫/978-4-260-05103-3/9784260051033**
発行 2023年3月
判型:B5判 440頁
ISBN 978-4-260-05103-3
気概、情熱、好奇心。General Neurologyの必読書、待望の改訂!
脳神経内科学の肝である神経症状の診かた・考え方を、本領域の第一人者である著者が、その経験を踏まえてまとめた実践的な教科書。診断への道筋を著者がどのようにたどったかがわかる臨場感のある記載が多くの読者に支持され、 初版以来、幅広い層に読まれた定番書。今回の改訂では、「臨床力とは何か?」「肩こり」の章が追加。さらに新たな症例、知見を盛り込み、全体にわたってアップデート。
【目 次】
序章 臨床力とは何か?
第I編 日常診療で遭遇する患者
第1章 頭痛
A 頭痛を主体とする疾患を実践的に分類する
B 患者の属性によって好発する頭痛がある
C 危険な頭痛
D 生活改善が要求される頭痛
E 生活支障度の高い頭痛
F その他の頭痛・顔面痛
G 頭痛の神経診察のポイント
第2章 めまい
A 「めまい」診断の決め手は病歴聴取である
B 非前庭性めまいを診察,診断する
C 4つの代表的な良性(非悪性),前庭性(真性)めまい疾患の特徴を理解する
D その他のめまい疾患(脳血管障害は除く)
E 脳血管障害に関連するめまい疾患
F めまいの診察手技
第3章 しびれ
A しびれの定義
B しびれの意義
C しびれをきたす疾患・病態
D しびれの部位,性状,経過,誘因などから分かること
E 上肢のしびれ
F 下肢のしびれ
G 四肢のしびれ
H 顔面のしびれ
I 顔面と手のしびれ
J 体幹のしびれ
K 背中のしびれ
L 半身のしびれ
M レベルを有するしびれ
N 難治性のしびれ
O その他のしびれ
P 痒み(itch)
第4章 肩こり──第4の神経症状
A 20世紀初頭の「肩こり」
B 肩こりは定義できるか
C 「肩こり」の誘因・原因
D 「肩こり」による症状
第5章 Parkinson病とその周辺
A Parkinson病
B Parkinson病の運動症状
C Parkinson病の非運動症状
D Parkinson病におけるbrain-first対body-first
E Parkinson病のその他の臨床症状
F Parkinson病の神経画像検査と心筋シンチグラフィー
G 遺伝性Parkinson病
H Parkinson病の鑑別診断
第6章 震えの診かた
A 「震え」とは
B 震えを実践的に捉える
C 意識障害を伴わない急性または反復性の震え
D 全身性疾患/病態にみられる舞踏運動
第7章 物忘れ・デメンチア(認知症)
A デメンチア・痴呆・認知症
B “attended alone”(1人受診)徴候
C デメンチアの疫学
D 物忘れ・デメンチアの診察
E デメンチアをきたす代表的変性疾患の臨床的特徴と診かた
F 血管性デメンチア
G 身体疾患に伴うデメンチア
第8章 脊髄症状
A 脊髄の位置と特徴
B 内科的脊髄疾患の鑑別のポイント
C 脊髄ならではの診察のポイント
第9章 精神症状,高次脳機能障害
A せん妄と急性錯乱状態(ACS)
B 人格変化と前頭葉症候群
C 総合神経学に必要な失語・言語症状
D 失行
E 無視症候群と半空間性無視
F カタトニア症候群とカタレプシー
G 環境依存症候群とそのスペクトラム
H いわゆるヒステリーの症候学
第10章 「心因性」と間違えられやすい疾患
A 「心因性」という用語について
B なぜ「心因性」と間違えられやすいのか
C 「心因性」と間違えられそうになった症例
第11章 「奇妙」な症状
第II編 緊急処置が必要な患者
第1章 けいれん
A けいれんと失神の鑑別
B 真性てんかん性けいれんと心因性非てんかん性けいれん(偽性けいれん)の鑑別
C てんかんとの鑑別を要するその他の病態
D 誤診しやすいてんかん病型
E てんかん重積状態と持続性部分てんかん
第2章 意識障害
A 意識と意識障害
B 一過性意識障害
C 意識障害と紛らわしい病態
D 意識障害の原因
E 意識障害(半昏睡・昏睡)時の診察
第3章 急性球麻痺
A 球麻痺をきたす疾患とその特徴
B 球麻痺と偽性球麻痺の鑑別のポイント
C 急性の球麻痺の原因と鑑別点
第4章 急性四肢麻痺
第5章 脳梗塞
A どんな時に脳梗塞を疑うか
B 脳梗塞の分類
C ラクナ梗塞
D アテローム血栓症
E 心原性脳塞栓症
F 一過性脳虚血発作(TIA)と一過性神経障害(TND)
G 血管病
H 放射線治療による血管障害
I 若年者の血管(脳梗塞)危険因子
第III編 神経診察のポイントと画像診断のピットフォール
第1章 神経学的診察の実際
A 「神経学的診察の実際」へ向かう前に
B 反射の診かた
C 運動系の診かた
D 体性感覚系の診かた
E 脳神経はこれだけ診ればよい
F その他の神経診察におけるtips
第2章 画像診断のピットフォール
A 撮像部位選択の誤り
B 画像手段の選択ミス
C 読みの不足
D 短絡的判断
E アーチファクトへの理解不足